令和8年度診療報酬改定において、医療費抑制と患者負担の軽減を目的とした「バイオ後続品調剤体制加算」の新設が予定されています。
本記事では、改めて「バイオシミラー(バイオ後続品)」とは何かを整理し、加算の算定要件や施設基準について分かっている範囲で考察します。
バイオシミラー(バイオ後続品)とは?
まずは、加算の対象となるバイオシミラー(バイオ後続品)の定義と特徴をおさらいしましょう。
• 定義: 先行バイオ医薬品と同等・同質の品質、安全性、有効性を有し、異なる製造販売業者によって開発された医薬品のことです。
• バイオ医薬品の特徴: ホルモン製剤や抗体製剤など、生体による生合成過程を利用して製造される、分子量が非常に大きく複雑な構造を持つ医薬品です。
• 品質の確保: 微生物や細胞を利用するため、製造ロット間でわずかなバラツキが生じますが、厳格な国の基準の下で様々な試験が行われます。
物理的化学的性質の評価だけでなく、先行品との差異が臨床的に影響しないことを確認するための臨床試験も実施されており、同等性・同質性が担保されています。
• メリット: 先行バイオ医薬品と同等の効果と安全性を持ちながら、より安価であるため、患者さんの経済的負担や国の医療費の軽減に大きく寄与します。
バイオ医薬品のジェネリック(後発品)と言えなくはないですが、製造過程等通常の医薬品と大きく違う事からジェネリック医薬品とは別物として定義されています。
「バイオ後続品調剤体制加算」の新設について
バイオ後続品の使用をさらに促進するため、薬局における調剤体制の整備や患者への説明を評価する新たな加算が設けられます。
算定要件
厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、バイオ後続品(インスリン製剤を除く)を調剤した場合に算定可能となります。
※特別調剤基本料Aを算定する保険薬局の場合は、所定点数の100分の10に相当する点数となります。
インスリン製剤を除くの記載から算定できる薬局はグッと減る可能性が高いですね。
この加算を算定するためには、以下の体制を整える必要があります。
• 適切な保管と説明体制: バイオ医薬品を適切に保管し、患者に対して適切な説明ができる体制が整備されていること。
• 実績(通知ベース):調剤したバイオ医薬品(バイオ後続品があるものに限る)のうち、バイオ後続品の規格単位数量の割合が80%以上である成分数が、当該薬局で実績のある成分数の60%以上であることが望ましいとされています。
• 掲示: バイオ後続品の調剤を積極的に行っている旨を、薬局の内外の目につきやすい場所に掲示する必要があります。
説明の体制整備と掲示は問題なくクリアできると思いますが、実績は60%以上が望ましいと記載されていることからまだ不明点が多いですが実績ベースという事は飛び込みの処方には対応できない可能性が高いですね・・・
バイオシミラーは上記にある通りそもそもの品目数が少ないだけでなくインスリン製剤以外となると薬局ではハードルが高い加算になる可能性が高いです。
薬局で可能性がある製剤はレミケード(インフリキシマブ)、フォルテオ(テリパラチド)、ヒュミラ(アダリムマブ)あたりでしょうか。
リウマチ、骨粗鬆症領域ばかりなので整形外科が近くないと厳しい可能性があります。
今回の改定では、調剤体制への評価だけでなく、患者さんへの情報提供と説明についても評価が強化されます。
一般名処方を受けた患者やバイオ後続品が処方された患者に対し、その品質、有効性、安全性について説明を行うことへの評価が、特定薬剤管理指導加算3の項目に追加されます。
まとめ
新設される「バイオ後続品調剤体制加算」は、薬局がバイオシミラーを安定して供給し、患者さんに安心して使用してもらうための体制を評価するものです。
バイオシミラーは先行品と同等の品質を持ちながら経済性に優れているため、今後も普及が期待されています。
薬局としては、在庫管理や説明資材の準備など、新たな基準に合わせた体制整備が求められることになりそうです。


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