令和8年度の診療報酬改定が迫っていますね。
先日短冊が発表され、その後も次々と細かい内容が決定していくと思われます。
今回は2026年1月23日時点での中医協の内容を踏まえて検討していきます。
変更点はふんわり理解できる程度にざっくり解説になります。
調剤基本料
調剤基本料について
調剤基本料については全て引き上げ予定。かつ1と3のハはさらに引き上げ(P8)
調剤基本料1の施設基準は現行通り。2の対象拡大に伴い相対的に範囲の縮小
調剤基本料2(P721~
調剤基本料2
| 受付回数 | 集中率 |
| 4000回超 | 上位3医療機関の合計が70%超 |
| 1800~4000回 | 85% |
| 600超 ・都市部に所在 ・水平距離500m以内に他の薬局がある | 85% |
受付回数2000回→1800回へ引き下げ(集中率は85%以上のまま)
都市部の薬局に関する適応が新設されている。
対象の都市部の抜粋。東京23区と政令指定都市(P722


経過措置として受付回数1800回以下の場合85%以下とみなす→出だしで基本料2に落ちる事は無いが時間の問題のため対策必須
調剤基本料3
グループ店舗数の記載削除→受付回数のみで判断
3.5万~4万回以下は95%であったが85%へ引き下げこれにより調剤基本料には70%と85%の記載のみになり整理された。
| グループ合計受付回数 | 集中率 | |
| 調剤基本料3 イ | 3.5万~40万 | 85%超 |
| 調剤基本料3 ロ | 40万超 | 85%超 |
| 調剤基本料3 ハ | 40万超 | 85%以下 |
※受付回数・集中率の考え方の変更(P728
今までは施設在宅の居宅の算定は受付回数、集中率には含めなかった(特養は集中率を含む)
施設在宅の居宅の算定は受付回数に含めるが集中率には含めないへ変更
今までは居宅の算定の有無で集中率を操作で来たが今回から固定になった
門前薬局立地依存減算【新設】(P724
薬局を新規開設する場合に条件によっては減算
既存薬局は経過措置で対象外。(期限不明)
下記に全て当てはまる場合の減算
イ 都市部に所在し、水平距離500m以内に他の薬局がある(直線距離と同義)
ロ 特定医療機関の処方箋〇%以上
ハ 200床以上の病院の境界線から200m以内に2個以上薬局があり、当該薬局の50m以内に対象薬局があるとき
調剤物価対応料【新設】(P12
処方箋に対して3か月に1回算定可。6月以降は200/100を算定
地域支援体制加算について(P733~
地域支援体制加算、後発医薬品調剤体制加算の廃止
地域支援・医薬品供給対応体制加算へ名称変更
具体的な実績に関する内容がまだ決まっていないが、服用薬剤調整支援料が条件から外れることは決定
調剤管理料
調剤管理料について(P736~
調剤管理加算、医療情報取得加算の廃止
調剤管理料イ~ニの4区分をイロの2区分28日以上、27日以下へ変更
残薬調整、重複投与について
重複投与・相互作用等防止加算→廃止だが名称変更して名前を分けて新設
調剤時残薬調整加算(残薬調整の部分)
基本的に7日以上の調整に対しての加算(6日以下は調剤報酬明細書に理由の記載必要)
イ 在宅患者の処方が出る前に残薬調整結果を伝えて反映された場合
ロ イ以外の在宅患者の残薬調整
ハ かかりつけの残薬調整
ニ それ以外の残薬調整
薬学有害事象等防止加算(残薬調整以外の部分)
イ 在宅患者の処方が出る前に重複投与等の結果を伝えて反映された場合
ロ イ以外の在宅患者の重複投与等
ハ かかりつけの重複投与等
ニ それ以外の重複投与等
吸入指導加算について(P743~
吸入薬指導加算の対象拡大
インフルエンザ治療薬も対象へ!
算定期間が3か月に1回から6か月に1回へ
→算定頻度が下がるため絶対算定漏れしてはいけない加算に・・・
服用薬剤調整支援料について(P744~
服用薬剤調整支援料2の条件変更
かかりつけ薬剤師のみ算定可
患者1人に対して3か月に1回
薬剤師1人で月4回まで算定可
かかりつけ薬剤師について(P301~
かかりつけ薬剤師指導料、包括管理料→削除
服薬管理料1のイをかかりつけ薬剤師として新設。ロは従来の服薬管理指導料1
〇かかりつけ薬剤師施設基準
かかりつけ薬剤師施設基準
※緩和ポイント
保険薬剤師勤務歴3年(1年分は補填可)→現行通り
週31時間勤務。育児、介護等時短勤務の場合週24時間以上かつ週4日以上→32時間から緩和
半年以上在籍。育休、介護休前後の合算可→1年から緩和。間の休業OKに緩和
※注意ポイント
常勤薬剤師の在籍期間が平均1年以上であること。又は管理者が在籍3年以上であることが条件追加
→過度な人員移動は危険な場合あり
かかりつけ薬剤師フォローアップ加算【新設】
調剤時残薬調整加算又は薬学有害事象等防止加算を算定後に電話等でフォローアップした場合3か月に1回次回受付時に算定
かかりつけ薬剤師訪問加算【新設】
患者の同意を得て自宅に訪問し、残薬整理、服薬管理の指導を行い、トレーシングレポートを提出(交通費請求可)6ヵ月に1回算定可
在宅関連
〇訪問のオンライン服薬指導の項目削除→服薬管理指導料4で対応
訪問薬剤管理医師同時指導料【新設】(P356~
個人在宅の往診同行バージョン
先生は当然複数人の往診に行くため、そのうち数人が別薬局の契約患者が居たりする場合など懸念点はある様子
在宅薬学総合体制加算について(P375~
1,2共に条件大幅変更。無菌室の有無など設備ベースから実績ベースへ
在宅薬学総合体制加算1
在宅薬学総合体制加算1が個人在宅と施設等で分けて算定へ変更
イ→個人在宅 ロ→個人以外
直近1年間の在宅実績24回から変わる可能性あり。
かかりつけ薬剤師の届出を行っていること。(←とっても注意!!!)
在宅薬学総合体制加算2
無菌室、麻薬の備蓄に関する施設基準削除
・常勤換算で3名以上
・原則として開局時間中は2名以上常駐の記載追加(原則がどこまで許されるか追加情報に注意)
直近1年間にて下記のいずれか満たす
・麻薬管理指導加算(在宅関連)10回
・無菌製剤処理加算1回
・乳幼児加算6回
・個人在宅の実績〇回
・個人在宅÷(個人在宅+施設在宅)の占める割合が〇割超える事
原文アとイが同じ記載であることから実績数と割合の比率を変えた2パターン用意している
アまたはイを満たす
個人在宅に関わる部分
<個人在宅に関わる部分>
在宅患者訪問薬剤管理指導料の1
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
在宅患者緊急時等共同指導料
単一建物居住者が1人の場合の居宅療養管理指導費
介護予防居宅療養管理指導費
在宅協力薬局として連携した回数(同一グ ループ薬局に対して業務を実 施した場合を除く。)及び同等の業務を行った回数を含む。
<個人在宅+施設在宅に関わる部分>
在宅患者訪問薬剤管理指導料
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
在宅患者緊急時等共同指導料
居宅療養管理指導費
介護予防居宅療養管理指導費の算定回数(ただし、いずれも情報通信機器を用いて行った場合の算定回数を除く。)の合計に占める割合
在宅患者訪問薬剤管理指導料(P381~
週1回かつ中6日あける→週1回へ変更
ガン末は変更なし
複数名薬剤管理指導訪問料【新設】(P382~
医師が複数名の訪問の必要性があると認める患者
薬剤師以外の同行も可のため医療事務と同行でも可
退院時共同指導料、初期移行管理料、訪問薬剤管理医師同時指導料と併算不可
その他
医療DX推進体制加算(P494~
医療情報取得加算→廃止
医療DX推進体制整備加算イ~ハ廃止
電子的調剤情報連携体制整備加算【新設】
月に1回算定可(イ~ハの区分分けなし)
電子処方箋等受付体制等の整備から追加で併用薬等の情報を確認できる体制の整備(調剤君で満たしていそう)
→経過措置でR9年5月末までは満たしているとみなす(1年間の猶予あり)
無菌製剤処理加算(P580
6歳未満の乳幼児から15歳未満の小児へ適応拡大
選定療養費について(P776~
現状薬価差の1/4+税→1/2+税へ引き上げ(実質2倍の金額)
栄養剤の保険適応について(P791~
栄養剤の経口投与は基本的に保険適応外へ
術後、経管投与、疾病の治療のため必要と判断した場合のみ保険適応とする
まとめ
今回の診療報酬改定でおおまかな変更点等をまとめてみました。
原文からはもう少し詳しく見れる部分も多いですが概要を理解する意味ではこのぐらいで良いのではないかと思います。
今確認しておきたい所
今回調剤基本料について大幅な変更がありました。
施設在宅を持っている薬局様は受付回数が跳ね上がる事によって調剤基本料が2になる薬局が多々あると思います。
受付回数の確認は必須と言えます。
都市部の薬局であれば大病院との距離の確認が必要です。経過措置で既存薬局は対象外ですがいつ経過措置が外れるか分からないためです。
在宅関連では在宅薬学総合体制加算の条件が変わるため取り漏れのないようにかかりつけ薬剤師の届出が終わっていることを確認しましょう。
今回の改定では服薬管理料にかかりつけ薬剤師の区分が追加され、かかりつけ薬剤師の条件緩和、専用加算の大幅増加を見ると服薬管理料はかかりつけ患者の方が点数が低い可能性が非常に高いです。
かかりつけの管理料の方が低くなった場合、今までかかりつけ薬剤師の契約数をノルマに設定していた会社様では今まで通りの患者対応ではじわじわと売上低下につながります。
かかりつけ薬剤師だからこその一歩踏み込んだアクションを起こす事が必須になってきますので今から患者様とさらなる関係強化に努めましょう


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